次期国王はウブな花嫁を底なしに愛したい


騎士団員たちは歩み寄ってくるオルキスの姿に気が付くと、それぞれに挨拶の言葉をかけてきて、オルキスもまた彼らに軽く手をかかげて挨拶を返しながら先へ先へと進んでいく。

そんな彼らから好奇心たっぷりの眼差しを向けられるたび、リリアは気恥ずかしくてたまらなくなる。

オルキスの後ろで身体を小さくさせながら周囲の様子をうかがっていると、宿舎の傍らにある屋外の訓練場にセドマの姿を見つけ、ほぼ同時に三人は足を止めた。

アレフとセドマが槍を交える様子を、若い団員たちが周りを取り囲む形で熱心に見つめている。

本気の表情でセドマへと向かっていくアレフだが、槍の扱いにそれほど慣れていないのか大きく薙いでしまったせいで若干足元をもたつかせてしまい、それを見逃さなかったセドマが見事な手さばきで槍を扱い、素早くアレフの鼻先へと刃先を付きつけた。

難なくいなされ尻餅をついたアレフが「さすがです」とセドマに拍手を送ると、固唾をのんで見つめていた団員たちがわっとセドマに駆け寄っていった。

実は若手も含め、騎士団員にはセドマを尊敬している者がとても多かった。

それはアシュヴィ王が先代から冠を譲り受けたばかりの頃の話。