熟恋ージュクコイー

次の日。
やたらと朝早く目が覚めた私は、朝ごはんを作って、カンナのお弁当を作っても、まだ時間があった。
時間があると、余計なことばかり考えてしまう。
この洋服でおばちゃんに見えないかな？とか、化粧は直して行かなきゃな、とか。
どこからどう見ても、48歳のおばちゃんなのに、今更どう若返ろうというのか…
人からどう見られるか気にするのも久しぶりだ。
おばちゃんが何をぬかすか、と言われそうだけど…

私に会えることを、お世辞にも、嬉しいと言われてしまうと、ことさら、意識してしまう。

時間があるなら、ゆっくりテレビても見ていればよかったのに、気づいたらいつもより30分も早く家を出てしまった。

『かんちゃーん！先に出るからね〜！』

と言う私に、驚いた顔のカンナ。

そりゃそうだ。いつも寝坊ばっかりの母親が、弁当まで作って30分も早く家を出るのだから。
途中でコーヒーでも買って、気持ちを落ち着けよう。