「ダメかな?」



不安で声が少し小さめになってしまう。



『ダメじゃないけど、遅くないか?危なくないか?』


「なに?心配してくれてるの?」


『そりゃ、心配にもなるだろ。お前、女の子なんだから』



少しの優しさを見せられたくらいで、あたしの心は騒がしくなる。



「車だし、大丈夫だよ」


『わかった。場所大丈夫?』


「うん。この前行ってるから大丈夫だよ」



自分の勤めてた美容室の隣だ。
忘れるわけない。
そうじゃなくてもきっと、忘れないんだろうけど。



『じゃあ待ってるよ。106だからインターフォン鳴らせよ』


「うん。じゃあ、すぐに行くから」


『おう、あとでな』



第一段階はクリア。
雄大に会うこと。
それが第一段階。

まずは、会わないと。
会って、自分の気持ちを伝えたいから。

〝好き〟と伝えたらどんな顔をしてくれるのか。
それが今の楽しみでもあり、不安でもある。

困った顔をされたどうしよう。
喜んでくれたら嬉しいなって。

不安と期待が混ざってる。