──自然消滅
そんな言葉を自分で口にして涙が出てきてしまう。



「ちょっと、泣かないでよ!」


「だって……」


「進級できなくても同じ学校にいるんだから、自然消滅は無理だから!」



香莉菜があたしの頭を撫でてくれる。



「……うん」


「進級できなかったことに落ち込んでるだけだよ!あんなに〝亜実と一緒に進級したい〟って言ってたじゃん」


「うん」



あたしも自分に対して大丈夫だと言い続けたい。
安心をするために。

まだこんなに大好きなんだもん。
好きで好きでどうしようもない。



「もう出会ってから1年も経つんだなぁ」



帰り道、雄大と出会ったときのことを思い出す。

香莉菜の彼氏、昌也を通じての出会い。
あの時の出会いなんてもう最悪だった。

顔を合わせれば、喧嘩ばかり。
それなのに、いつの間にか雄大に惹かれていった。

毎日のように4人で学校でも外でも遊んで。

雄大の隠されたやさしさに触れて。

そんなとき、最高に幸せな瞬間が訪れた。

雄大に告白されたんだ。