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「亜実!」



到着ゲートをくぐると、サングラスをかけた春樹が片手を上げている。



「春樹」



キャリーバッグを片手で転がしながら、春樹にかけよる。



「サングラスしてんだね、春樹」


「一応ね。亜実に迷惑かかんねーように」


「迷惑って!妹だって言えばいいことでしょ」


「まーな」




春樹があたしの手から荷物を取り上げる。



「あ、ありがとう……わっ」


「大丈夫かよ」



羽田空港は、地元とは違って人が多い。
なれない人混みに、よろけてしまう。



「うん。やっぱ東京は人が多いね」


「札幌も、まぁ北海道の中では都会なほうだけど……東京に比べると全然だよな」


「春樹はそんな都会に染まったね」


「馴染まねーとやってけーねだろ。ここにも芸能界にも」



駐車場に出た春樹が、空をみあげる。