「ゆずと同じなんて無理だよ。亜実とはできない」


「……なんで」


「泣くなよ。亜実は笑ってた方がいい」



流れてくるあたしの涙を拭う。



「そんなこと言うなら、雄大が笑わせてよ」


「ごめん」


「だよね。結婚、するんだもんね」



頬に触れられていた雄大の手をそっと離す。



「お幸せに」



それだけ言って、立ち上がる。



「ゆずには帰るって言っておいて」



こんな泣き腫らした顔でゆずの前にいくわけにはいかなくて。

そう告げて、雄大に背を向けた。



「亜実、ごめんな。幸せになれよ」


「……っ」



謝るなら、最初からしなければいい。
幸せになんて、雄大にしてもらいたい。



「バイバイ。雄大」



もう、この先交わることのない思いに覚悟を決めて、お店をでた。



「あーあ、また終わっちゃった」



あたし達はどうやら、絶対結ばれない星の元にいるようだ。

好き、なんだけどな。
叶うことのない、この気持ち。

でも、諦めらられないこの気持ち。