「えー、それって結構脈ありじゃない?」


「だといいんだけどね……ほら、もともと距離が近いひとじゃん?」


「たしかに……でも、それもゆずのこと気になってるからかもよ。ほかの人にはしてないんでしょ?」



ゆずの話を聞く限りでは、その彼はゆずのことまんざらでもなさそうに感じる。
忘れられない人とはもう諦めていて、誰かと付き合うことを考えるならゆずが1番近いんじゃないかな。



「あれ!ゆず!?」



少し混んでいたので待つための椅子に座ってるとゆずの名前が呼ばれた。



「わぁ、港!」



ゆずの知り合いみたいで、ゆずが笑顔になる。



「っていうか、亜実ちゃん……?」



港と呼ばれた、ゆずの知り合いがあたしをみてそういう。



「……え?」


「え?港と亜実知り合いなの!?」


「み、港ちゃん……?」



あたしの脳裏に1人の制服姿の男の子が浮かぶ。



「おう、元気だった?」


「う、うん。あたしが卒業して以来だよね」



美容の授業で一緒で、たしかゆうたんと付き合ってた。