スカートの中から流れている赤いもの。
その流血に比例して強くなっていくお腹の痛み。



「痛い、痛いよ!春樹」



激しい腹痛と腰の痛みも加わって、その場に立ってはいられなかった。



「……病院行こう。タクシーで」



春樹があたしを抱き抱える。



「あり、がと……」



徐々に激しくなる腹痛と荒くなっていく呼吸。



「大丈夫か?」


「……ん」



次第に遠くなっていく意識。

恐れていたこと。
それが起こってしまったら、もう、こうして一緒にはいられない。

それに、雄大とも何も無かったようになんてできない。
だって、あたしは多分、1つの命を捨てることになる。

そんな殺人犯がのうのうと好きな人と一緒にいるなんてできない。

でも、たとえ一緒にいられなくとも、あたしは雄大のことをずっとおもうのだろう。

最近、体調が悪いことがあって、不安になっていたことが現実になりそうな瞬間にたまらなく怖くなって、目を閉じた。



「亜実?大丈夫か?」



春樹の焦ったような声を最後にあたしは意識を手放した。