『兎騎くんが謝ることなんてないよ』と言おうとしたとき
兎騎くんのうしろの木に釘で刺された藁(わら)人形が見えた
わたしの心臓がドクンとなり速度をはやめ
顔や背中にはひや汗が流れ始めた。
「(はやくここから立ち去らないと!)」
「空城さん。顔色が悪いですけど大丈夫で・・・「全然大丈夫じゃない!」え?!」
私は兎騎くんの手首をつかみみんなのまつゴール地点まで走った。
もう数分でつく距離のはずなのにとても長く、遠く感じる
まだつかないの?、と思い始めたとき
男女のはしゃぐ話し声が聞こえ小さな光も見えた。
『やっとついた!』とおもったときふと兎騎くんの足元を見ると
さっきの犬がほめてほめてとでも言うような顔をして藁人形をくわえていた。
「(なんていうもの持ってるのー!?)」
ていうか、幽霊なのに藁人形くわえられるの!?
しかもほめてほめてじゃねえよ!逆だよ!なんてことしてくれんの!!
と、取り敢えずみんなと合流しなきゃ!


