りせい君の理性が危うい瞬間







スルリと、利生君の指先が、私のお腹を撫でる。



「ちょっ……!?」


今の話の流れだと。
私の気持ちを優先してくれたんじゃないの……!?


まさか本当に無理矢理……っ。


ごくりと唾を飲んで、怯えた目で彼を見ると。

利生君はゾクゾクと体を軽く震わせ、伏し目がちに妖しく、私を見下す。



私のお腹にあった利生君の指先はいつの間にか、私の首にきていた。



「……どうして俺が、首ばかり狙うか知ってる?」



利生君はよく、本気で噛んだり、たまに甘噛みだったりと。


異様に私の首を責めてくる。



「自分のものだって……跡つけるため?」


私がそう言うと、利生君はクスリと笑った。



「ちょっと……違うね」


「じゃあ……なんで?」


「教えてほしい?」


「……」



こくりと頷けば、彼の思いどおりになってしまうのに。


いつもより優しい利生君の声色に惑わされて、私は震えながらこくりと頷いた。