りせい君の理性が危うい瞬間







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次の日の休み時間。


球技大会に向けて、皆それぞれ選んだスポーツの練習を、友達や先生と和気あいあいとした雰囲気でしている中。



友達も……頼る人だっていない私は、1人。
校舎裏でしゃがみこんで、ブチブチとそこら辺に生えている雑草を抜いていた。



一人ぼっちは悪いことじゃないのに
集団でしか出来ない行事ごとがあると、ボッチはすっごく惨めな人間に変身してしまう。



教室に帰りたいけど。

急に1人の男子が作戦会議とか言い出して、みんな机をくっつけて輪になりながら喋っているせいで、輪に入れない私はそもそも蚊帳(かや)の外だ。




居づらくなって、誰もいない校舎裏に逃げてきたはいいけど。

やっぱ寂しい……。



頼る人という文字に、利生君の顔が浮かぶ自分が嫌い。


本当に私には今、利生君しか頼る人がいないと思い知らされてるみたいで、余計に頼りたくなくなってくる。



休み時間が終わる合図が鳴るまで、草むしりでもして時間を潰そうとしていると。