りせい君の理性が危うい瞬間







「ゆっくり……俺に落ちなよ。
 ねえ……?羽子」



毒はいつか全身に回るもの。


だったら
毒である利生くんだってそうなのかもしれない。



でも、まだ。



「落ちない……し」



全身に回っていないなら
抵抗はできる。




完全に君に支配される前に。


どうか。


私が利生君から解放されますように……。



いない神に祈りながら、平凡な毎日に帰りたいと、そんな事を思っていた。