りせい君の理性が危うい瞬間




愛情をたっぷり注いでくれた、大好きだった父が死んで
悲しくならない方がどうかしてるよ。


私はただ心情に従ってるだけなんだ。



痛くて

苦しくて

でも無力で。


父の死の原因が、務めていた会社でのストレスが原因なら


身を削ってでも働いていた理由は、私に何不自由させないため。


父は弱音を吐かなかった...いや、吐けなかったんだ。


私とお母さんが心配するから。


生活がかかってるっていうすべての責任を私たちが負わせていたんだ。


そんなの...私が殺したも同然じゃないか。



「あ...っ、あなたに何がわかるの?」


「...」


「家はお金持ちで、甘やかされて育って。
きっと、ストレスなんかなくて、毎日楽しんで」


「...」


「なんでも持ってる人間に...っ、否定されることがこの世で1番ムカつく...っ!」