ムカつくくらい、余裕たっぷりな利生君と、すぐ顔に熱が宿る余裕のない私。
いつも通りの朝
真っ白でシンプルだけど高そうなテーブルに2人で向かい合って、朝食を摂る。
キラキラと光る甘い蜜が塗られているパンを、1口かじって甘さを堪能した。
「美味しい」なんて。思わず声に出すと。
「羽子が嬉しそうでよかった。 女の子は好きだもんね、甘いの」
利生君らしくない。
優しく、ふわふわとした雰囲気でそんな事を言うから。
ーーやばい。
なんか、胸の奥が熱い。
いつも意地悪なくせに...急に仮面が外れたように柔らかく笑うんだもん。
ぜんぶ...勘違いしそうになる。


