「ちょっと乱暴すぎない?そんなとこも可愛いけどね、羽子は」
所詮は女の力、とでも言いたそうに。利生君は3歩後ろに下がっただけで、すぐに体のバランスを整えた。
「利生君のせいで首に跡ついちゃったじゃん!どうやって隠せばいいのよこれ!!」
目線を下げて、自分の首元を見たら。
赤くなっている跡は、利生君が付けたってだけで、なんだかとってもイヤらしい。
「絆創膏でもつけて、色んな人に疑われればいいじゃん。
もちろん相手は俺だって、周りには分かっちゃうね?」
「〜〜っ!!」
恥ずかしくて、言いたいコトが上手くまとまらず、声にならないし、もう感情ごちゃごちゃだよ...。
「このヘンタイ」
「それ羽子にだけね。 あっ、そろそろ部屋に戻らないといけない時間だ。 羽子寂しい?」
「全然。早くどっか行ってほしいくらいだよ」
「んー、やっぱ愛を込めてキスマーク付けても、全然懐いてはくれないね」
「いやいや、これキスマークじゃなくて、ただの傷跡だから!
私噛まれたんだよ!?最悪」
「痛みがある方が、刺激的でいいじゃん?それ見る度に俺の事思い出してよ。それじゃ、おやすみ。」


