ねえ、利生君。私が悪かったから。
お願い、その扉開けてよ。
1人にしないでよ。
利生君、知ってるじゃん。 私が1人になること、怖がってるの。
そんな恐れを抱いてる私を見て、利生君が喜んでること知ってるよ...?
だからせめて、利生君からはその恐怖心刺激しちゃダメなんだから。
「...うっ、ぐ...っ」
嗚咽が体育倉庫内で響いて。 目の前を舞うホコリは、暗闇に慣れた涙目のせいでキラキラして見えた。
嗚咽が寂しさを叫んだ時、タイミングよく開かれた扉から見えた彼は、月よりも何よりも何倍怪く見えた。
「ーーねえ羽子。 羽子には今、俺しか頼る人がいないってこと。分かったでしょ?」
得意気に言う彼に、手を伸ばし自分から抱きついた。
「り...せいくん、ごめんなさ...っ...い」
「うん、許してあげる。」
泣きすぎて、上手く喋れない私の頭をヨシヨシと。
子供をあやすように撫でる利生君は、さっきとは打って変わって機嫌がいい。
全然悪くない私。 だけど利生君の存在は絶対なのだから、彼の思い通りにならないと、すべてがダメになる。
すべては彼の機嫌次第。
彼は私ではなく、私の孤独を買い、その孤独を自由に操れるたった1人の存在なのだ。


