空が眩しい真夏の海だった。
あなたは必死に私に手を伸ばしてくれた。
きっと、最初で最後だった。


野球をやっていたお兄ちゃんのチームメイトと、海に遊びに行くことになった。

「ええ、なちちゃん来れないの?」
来る予定だったなちちゃんが来ないと知り、遊ぶ相手がいなくなっていじけていた私に暗いふたつの影が落ちた。

「じゃあ、俺らと遊ぼ」

顔をあげるとバッテリーをくんでいる大成くんと京くんがいた。

「うん!」

お兄ちゃんたちと私は1歳年が離れてて、みんなにも妹のように遊んでもらっていた。

海に遊びに来るのは一年ぶりで、私は鮮やかな黄色い浮き輪をせっせと膨らませて二人を追いかけて海に飛び込んだ。

空には夏の仕事を必要以上にこなす太陽。ぎらぎらと照らされた肌は少し痛くて、海の冷たい水で冷やした。

この時はまだ知らなかった。
この時の太陽みたいに輝く、大成くんを。