柚が記憶喪失だということは彼女たちはすでに知っている。

既に利都と京が学校側と話をした結果最初に柚が記憶喪失だということはクラスメートには話した方がいいと判断された為、
クラスのみんなが柚の事情に理解してくれていた。

なので柚がみんなよりも年が2つ上だということも知っている。
それをふまえて彼女たち3人は柚と友人になってくれたのだ。
「はぁ・・・おはよ~・・・」

「ゆーちゃん、朝からどうしたの?」

「あ、うん。ちょっとね・・・」

3人の中では唯一雫だけが柚のことを"ゆーちゃん"と呼ぶ。
少し心配そうな顔で雫は柚を見る。

「もしかして体調悪いの?」

「違うよ!!ただ朝からびっくりしたことがあってさ・・・心配してくれてありがとう!雫!」

「うふふふ・・・・柚さんや、それはあなたの兄上のことかな??」

ギクっ
気味の悪い笑みで柚に問いかけた日好。