柚は利都の部屋に入ってすぐベッドに向かうと、

バチン!!

すぐさま無言で渾身の力を振りしぼって利都の頬を殴った。


「!? いっっってぇぇぇえ!!!」
利都は殴られた頬を抑えながらベッドの上で転げまわった。

「ちょっと柚!?もっと優しく起こしてよ!!毎朝俺は頬を真っ赤にして仕事に行くことになるんだよ!」

うっすらと目に涙をためて利都はそう叫ぶ。
だが柚の顔は恐ろしく冷めた顔してただ一言、

「早く準備しろ」

とだけ言葉を残して部屋を出ていく。

(今日はとんでもなく機嫌悪いな、柚・・)