* KING+1 *

連れられた場所は…
先輩の自宅マンションで───


「杏ここには何故住んでいないんだ?」


仕方ないじゃない。先輩との思い出がてんこ盛り過ぎて ここにいると苦しい…


「先輩の部屋なのに、私が我が物顔で使える訳ないでしょ?」


天の邪鬼な事しか言えないけど、これが私。


クスッと笑う先輩がいて…


「バカな奴。俺が杏に使っていいって言ったの忘れたのか?」


泣きそうになるのを我慢して強がって無理して笑う…


「私は先輩の───何者でもないし、下僕なんでしょ?」


いつの間にか先輩が側に来て、優しく抱き締め───

私の顎を上げ 綺麗な顔が近付いて長い睫毛だな…とボンヤリしている内にチュッとキスをされていた…