部屋を出たら先輩が待っていた。


何を着ていても似合い過ぎる 素敵な大人の先輩が憎らしい。


「杏、久しぶりの俺のコーデはどう?」


「う~ん、まあまあじゃないですか?でも私は嫌いじゃないですよ。」


可愛くない返ししか出来ないけど、笑顔は忘れない。


「///それ反則だろ?」


手を引っ張られて 走る様に連れられタクシーに乗せられた。


先輩、私を何処に連れて行くつもりですか?


聞くのが怖い。無言で隣で座って俯いてるのが精一杯で 先輩がじっと私を見ていた事は───知らない。