そろそろ止めた方がいいかなぁ。


でもさっき香澄の味方って言った手前、止めるのはちょっとね。


と迷ってると、龍騎が香澄に近づいた。


そしてナイフを持つ香澄の右手を掴んだ。


「やめろ」


なるほどね。


復讐劇の伏線ってことね。


ここで香澄を止めれば龍騎いじめは悪化する。


そう。


それが狙いだ。


酷いことされた方が復讐劇は盛り上がる。


やるじゃん龍騎。


「私を止めるなんていい度胸だね?瀬山龍騎クン??」


睨み合う香澄と龍騎。


「チッ。邪魔が入った。萎えた。もういい。お遊びはおしまい」


香澄のトーンに教室中が凍りつく。


「また明日からのいじめにご期待を」


香澄の冷たーい声を最後に争奪戦は幕を降ろした。