「あ、ちょっと彩羽ちゃん!」


後を追ってきたのは慧。


さっきから喋ってるのは慧だけだ。


全員無口。


そして渚に関してはオーラが冷たかったし。


「何?」


慧の前ではいい子ちゃん演じとこーっと。


役に立つかもしれない。


「連絡先教えてよ」


「えー…」


焦らした方が面白い。


「いいじゃんいいじゃん。俺のこと嫌い?」


「まさか!嫌いじゃないよ。私なんかに話しかけてくれて嬉しいしありがたいもん」


はい、いい子ちゃんです。


慧のことたぶらかしてたら良いことあるかも?


確実にいつかは使えるよね。


「マジ?彩羽ちゃんっていい子だなー。惚れちゃった」


は?


バカじゃないの。


「冗談はやめてよぉ」


自分がキモいかも。


でもまぁ都合よく利用しちゃおっと。