「チッ」


茅ヶ崎渚は舌打ちして普通の椅子に座った。 


「彩羽ちゃんって度胸あるね」


チャラ男が言った。


「度胸?」


まぁ怖いもの知らずだしねー私は。


「渚の席奪うとか怖くてできねぇよ普通」


「そうなんだ?」


怖くないもん。


茅ヶ崎渚なんて。


むしろ本気でキレられてスリル味わってみたいし。


刺激が欲しい。


「あ、自己紹介まだだったな!俺は藤田慧(ふじたさとし)。慧でいいからね」


チャラ男が慧ね。


「こっちは加藤晋(かとうしん)。女恐怖症でこんなだけどね~」


無口な奴が加藤晋ね。


「で、副総長の瀬山龍騎。同じ学校らしいから知ってるかな?」


瀬山龍騎って副総長だったんだ。


「俺ら四人が幹部だから。全員のこと呼び捨てでいーよ」


あっそ…。


果たして名前を呼ぶことがあるかどうか。


「じゃ、私帰るね」


なんの前触れもなく私は立ち上がり幹部室を出た。