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「へぇ。結構マシな倉庫だね」


広いし。


「………」


無視かよ。


性格悪ーい。


「おい、聞け。こいつが黒蝶だ」


私をまるで物のように扱う茅ヶ崎渚。


乱暴にヤンキーどもの前に連れていかされた。


「へぇー?だいぶ可愛いじゃん」


2階から声が降ってきたから見上げると二人のヤンキーが手すりに体を預けてこっちを見ていた。


体育館のギャラリーみたいな感じかな。


「あっ…私は仁科彩羽です」


一応いい子ちゃん演じとこう。


何かの役に立つかもしれない。


「可愛ー!!」


低脳な下っ端たちは私が微笑んだだけで騒ぐ。


……使える。