私はやっぱりあの二人に捕まってほしくないみたいだ。


そんな私は偽善者だ。


散々今まで悪行働いてきたくせに。


私が最も嫌いな偽善者に…私はいつから成り下がってしまったんだろう。


偽善者になるくらいなら、悪女の方がマシだったのに。


偽善者ほどムカつく人間はいない。


自分だけいい顔して。


裏では悪女と変わらないことして。


そんな偽善者なんかになりたくなかったのに。


私はいつから偽善者になってたんだろう。


……改心しようと決めたときだ。


悪女は所詮悪女なのに、いい人になろうとするから偽善になる。


黒に白を混ぜても、中途半端な黒が出来上がるだけにすぎない。


完全な黒が完全な白に憧れ、それになろうとした。


バカだな。


だけどもう戻れない。


完全黒には戻れない。


それは嬉しくもあり、悲しくもあった。