そんなことを考えながら、ゆっくり道を歩いてると、反対側の歩道に見慣れた姿が見えた。


渚だ。

 
その隣には女の子が歩いてる。


……あの子…須藤琴羽だ。


凛花さんの妹……。


横断歩道を渡って喋りかけたいけど、須藤琴羽がいるからできない。


何しゃべってるんだろ……。


無性に気になる。


二人は立ち止まった。


そして……。


「………っ!!」


渚が須藤琴羽を抱きしめた。


その瞬間、私の胸がキューっと締め付けられた。


見たくないのに、足が動かなかった。


動けなかった。


凛花さんの妹だから…。


だから渚は須藤琴羽が好きなの……かな…。