忙しい人なんだなー。


「分かりました。ありがとうございます」


「渚からだいたいの話は聞いてる。渚の部屋にいたくなけりゃ私の部屋使ってくれてもいいし」


……あんまり知られたくないことだったんだけどな。


「うちの親も半年ぐらい帰ってこないから、安心していーからさ。まっ、のびのび暮らしな。とりあえず服はこれ着て」


渡されたのは、女の子風のワンピース。


美亜さん、こういう服持ってるんだ。


意外。


「てかそれあげる。私の趣味じゃねーから。んじゃ、着替えな。私先リビングいるから」


「はい…」


赤の他人にこんなに優しい人もいるんだ。


なんか自分が嫌になってくる。