……お姉さん?


しゃべり方は男っぽいけど、髪の毛長いし。


「コイツ、昨日言ってた奴。服貸してやって」


「わかった。とりあえず入りな」


と、私の腕を引っ張るお姉さん。


「渚はさっさと飯作れ」


「もう作ってるから。あんまソイツのこと困らせんなよ?」


「はいはい。さっさとリビング行ってろ」


あの渚を蹴っ飛ばす恐るべしお姉さん。


「私は渚の姉の美亜(みあ)ね。昨日渚からメールで聞いた。彩羽ちゃんだよな?」


「はい」


美亜さんか。


顔は可愛いのに、男っぽいな。


「つい1時間前ぐらいに帰ってきたばっかりなんだよ。まぁもうすぐ出発するけど。次帰ってくるのは二ヶ月後だから、それまで私の服自由に使っていいから」