「あ。お前が泣くから服が濡れたじゃねぇか」


渚の手はすごくあったかくて、安心できて……。


「うるさいっ」


「生意気な口は健在だな。さっさとその口で食えよ」


いつもの感じを出してくれるのは渚の優しさ。


「生意気ったって同い年だもん」


「俺の方が立場的には上なんだよ」


生意気はどっちだ。


そんな生意気な渚の服が血だらけなことに今気づいた。


「渚…その血……」


「………あぁ。別にたいしたことねぇよ」


龍騎にやられたんだ…。


「そんなことよりお前の方が酷いだろ。さっさと食って病院行くぞ」


……外出か。


やだな。