その日の放課後。


「彩羽……っ!ちょっと待って…!」


帰ろうと思って校門を出たら、理沙に呼び止められた。


「何か用?」


冷たい視線を投げ掛ける。


「私の家…お金持ってるの……」


お金ね。


「お金払うから…ターゲット変えてほしい……っ」


必死に頭を下げる理沙。


「ちょっと来て」


校門近くでそんなことされたら変な噂たつじゃん。


勘弁してよねー。


理沙の腕を引っ張って、学校内の目立たない場所に移動する。