SHOCK -衝撃的なlove-

「離してください……」


須藤琴羽の可愛らしい声が、無駄に静かな路地に響いた。


渚は、なぜか簡単に須藤琴羽の腕を離した。


私と龍騎にはどうすることもできなかった。


そして、誰も何もしないまま、須藤琴羽は逃げていった。


「渚……?」


ずっとフリーズしてる渚。


「何でハンカチ押し当てなかったんだよ!」


龍騎が苛立ってる。


思うようにならなかった苛立ちだ。


私は苛立つよりも心配が勝った。


須藤琴羽が振り向いたときの渚の表情は、見たことのないものだった。


驚きと悲しみが混じりあったような表情だった。