恐怖で立ち上がることができない香澄の近くにしゃがみこみ、低い声でそう言う香澄。


パッとそんな香澄と目が合った。


龍騎が怖くて助けたくても助けられない。


そんな表情を作って香澄を見捨てる。


「ほら、選べよ」


渚のオーラに近いものがある。


渚ほどじゃないけど……。


「いや…やだ……」


這いつくばって逃げようとする香澄。


龍騎はそのお腹を容赦なく蹴りあげた。


「うっ……」


女相手でも手加減無しかぁ。


黒龍はやっぱり悪だ。


でも私は悪の方が好き。


善を主張してる暴走族なんて、ホントにただの偽善。


暴走族に所属してる時点で世間的に悪なんだから。