そして、ついに。 待ちに待った放課後がやってきた。 学校の校門を出て、坂を下る。 「なんか笑花、今日はやくない?」 「そ、そうでもないよ。いつもどおりっ」 「えー?」 歩くのが速かったらしく、友だちにつっこまれてしまったけど。 だって、仕方ない。今日はホワイトデー。 (期待しちゃってる私が、ここにいるんだもん) その期待はどんどん膨らんでいって、私は友達と別れた後、家まで走って帰った。 __でも。 快くんは、来なかった。