「まさか、この週末はどこにも出掛けないなんて思ってないよね?」

ギクッ。

どうしてわかったんです?

ドギマギしていると所長が眉をしかめて口を開いてきた。

「ダメだよぉ、部屋になんかこもってないで街中へ出掛けてくれないと。じゃないとミライの耐久試験にならないんだからさ」

所長が肩を掴んで揺すってくる。

確かに、部屋でじっとしていてもミライの経験値は増えそうにないな…。

「この耐久試験が上手くいくかどうかは、君にかかってるんだよ。しっかり頼むよ」

笑顔でポンと肩を叩いてくる所長。

(…そうだよな、ロボットと一緒に部屋に閉じこもるってのも、考え物だよな)

不健康極まりないし。

「じゃあミライ、チェックが終わったら、街に出掛けようか」

「うん」

「どこか行きたい所はあるかい?」

ロボットにも行きたい所ってあるのかな?

「お買い物♪」

そうかそうか。

やっぱり女の子なんだな。

広海君とおんなじで…。

「じゃ、じゃあ今日はどこか、商店街にでも行ってみようか」

人込みと、広海君を避ける為にも。

「うん」

笑顔で頷いてくれるミライ。

なんとなく、二人で出掛けるって事に嬉しくなるのは、気のせいかな。