金曜日の午後。

所長から電話が掛かってきた。

「やあ。データをチェックしたいから、今からこっちに来てくれないかな」

相変わらず陽気な声を上げる所長。

と、所長の姿が映る画面を、横から広海君が覗き込んできた。

「私も一緒にいいですかぁ?」

ええっ!

ナニ言い出すんだよっ。

「一緒について来る気か?」

マズイって!

研究所はミライの秘密の宝庫なんだから!

「いいよ~」

って所長、ナニ軽く答えてるんですかっ!

「ヤッタ♪」

オーイ…。

「三人で一緒においでよ。じゃあ待ってるよ~」

ブツンと電話が切れる。

本気ですか所長?

(…ま、所長のコトだし、)

何か考えてるんだろうけど。

あの人が考えなしに広海君を呼ぶワケがない、ウン。

じゃなきゃ、あんな軽い返事の仕方は…。

(まさか何も考えてないってコトは、ないよな…)

ム、この胸のざわめきはなんだ。

「じゃ行きましょセンセ」

「あ、ああ…」

三人で所長の研究所へと向かう。

やっぱりちょっぴり不安だよ。