家からドラックストアまでは、数百メートルの距離。 乗り降りの時間を考えると、車より走った方が早いと判断し、全力でダッシュする。 こんな距離を走るくらい、昔は余裕だったのに。 俺ももう年なのか、家に着いた時には肩で息をしていた。 乱れる呼吸を数回整えて、玄関の扉を開けた。 「ただいま。」 玄関先でそう言っても、何も返事は返ってこない。 それどころか、何も物音がしない。 …寝てるのか? とりあえず家に入り、廊下を覗く。 いつもと変わらない家の光景。 だけど明らかに違和感があった。