『こんにちは。月島さん。 何のご用ですか?』 今は組の若頭同士としての会話。 これから友好を深めていこうという組の若頭に対して、険悪な態度をとるのは厳禁。 だから俺は月島組若頭として電話をした。 …ひとまず、電話に出てもらうために。 だけどここから先は、〝龍王前総長月島禅〟としての話だ。 「…落ち着いて聞け。 ────…結衣が、誘拐された。」 俺のその言葉に、電話口からは息を飲む音が はっきりと聞こえた。 さっきまで冷静だったにもかかわらず、妹の危険を聞かされた途端にこれだ。