ちょっと、ここいいサボり場所じゃん。
絶対見つからない自信がある。


時計を確認したら、授業が終わるまであと40分。
予定より早くサボり場所を見つけられた。
安心した私は。
壁に体重を預け、春の心地よい風に身を委ね目を閉じた。





「おい。」


声が聞こえる。
誰、今いい感じで寝てるのに。


「……おい、起きろ。」


肩を揺さぶられる。
もう誰!
人が気持ちよく寝てる所を邪魔しないでよ。


イライラして目を開けると。
鼻がぶつかりそうな距離に人の顔があった。


「うわっ。」


驚いて後ろに身体を引くと、そこは壁で盛大に頭を打ち付ける。
ズキズキ鈍い痛みが後頭部に走る。
なにこれ、踏んだり蹴ったり……。
涙目になりながら起こしてきた人を睨むと。
その人は笑いをこらえているようだった。


「ちょっと、なに笑ってるのよ。」


「いや、漫画みたいだなって……あははっ。」


こらえられなくなったのか、大声で笑い始めた。
なんなのこいつ、超失礼じゃない?