夕方。



「…ねぇ、弥生。今日面接なんでしょ?あの屋敷の。…本当に大丈夫?」



帰り道、心配そうな表情をしながら明美が訊ねてきた。

大丈夫かと聞かれたら、胸を張って大丈夫だと言い返すこともできない。

私だって怖いから…



「もし合わなかったら断るし、何とかなるよ」



胸に少しの不安が残ったままだけど、明美にはあまり心配をかけたくなかったから私はなるべく笑顔で対応した。



暫く歩いているとーーー



「…着いた」



薄気味悪い、私の新しいバイト先ーーー

大きなお屋敷へ到着してしまった。



「頑張ってくる」


「…気をつけてね?」



門の前で明美と別れを告げて、私は勇気を振り絞って門を開けることにした。