人払いをして、私は三瀬だけと話している。

「いい事?」

三瀬は、私に諭すような口調で言い始めた。

「出仕されている他の方々の戯れ言を、一々気にしていてはいけないわ。」

戯れ言?

「ええ、本心はあまり見せない方が良いかもしれなくてよ?本性が見透かされたらもう、手遅れ。-それに……」

それに、なによ?
誤魔化さないで!

「決して、恋は、なさいますな。」

は?
恋?