一番大切なのは、第一印象。

色んな方々がおられる御簾の前で、首を傾け、軽く会釈をした。

もし、三瀬が身代わりになるとき、困るだろうから、出来るだけ扇で顔を見せないように………

笑え、私。
何を緊張してガチガチになっているのよ。

「ご機嫌如何でしょう、皆様。」

悪意を持たれないよう、恨まれぬよう、私は、出しゃばってはいけない。

もし、秘密がバレた時に、逃げられるように。


「青丹。」