私は、御祖父様により、十分に豪華なお支度をして貰って、先日、出仕をし始めた。

御祖父様曰く、三瀬(六条)は、私に何かあった時の為の保険みたいなものらしい。

だから、もし入れ替わっても気づかれないよう、それぞれ違う一人称を、『わたし』と『あたくし』の間をとって、『わたくし』にしておいた。

「あの方が、この間から出仕され始めた、尚侍様ですって。」

…………噂が早いわね。
皆、お暇なのかしら。違う?

「お若い方だこと。」

それは、否定しないわ。
だって、私、十四よ?
因みに、三瀬は十五。