「ふぅ。」

お姫様って、暇ね。
この頃、ふと、そう思った。

少し前まで、身分の低かったがため、自分でもくるくると動いていたのが、まあ、嘘みたいだわ。

「でも…………」

お母様だけは、違った。

年を召して、やっと、上流の姫君の根が出てきたのか、おっとりとしていた。

まあ、少し、愚図なんだけど。

そして、お母様の部屋だけは、お高い調度品がずらりと並んでいた。

うん、なるほど。