咲いた徒花

「やめてください!」

叫んだ。
でも、実際は、小声でボソボソと呟いた程度にしか、出なかった。

被衣が盗られ、バサリと地面に落ちた。
ああ、それ、高いのに。
…………と、言ってる暇では、ないわ。

「……………………」

どうしたの?
甥御様?
まさかだけれど、いや、普通か。
-恐いと、思った?

甥御様は拍子抜けした顔をしていたが、意識を取り戻したのか、ハッとして、奇声をあげた。

「ば、ばば、ば、ばけも………」