咲いた徒花

「…………月ね………」

あたくしの心が持つ、後ろめたさには、少し、明るすぎて。

「あぁ。そう。」

生暖かいものが頬をつたって。
これは、何?
これは、涙?

いつからでしょう。
こんなに、月が美しいと思い始めたのは。

月を愛でる暇もなかったあたくしは。

お父様のせいで、女房の身分も得られるか分からなかった。下女として誰かに仕える運命であったかもしれない。

感謝しなくては、なるまいよ。
あたくしを拾ってくれた、あの、御館様に。