咲いた徒花

このお邸の女房達は、皆、少しばかりお年を召した方。

暖かく迎えてくれたわ。

不思議ね。
化け物の子なのに。


ある日のことでありますが。

「…………」

その夜は、なかなか眠れなくて、ふと、床から上がった。

「今宵は、満月なの…………」

寝間着である単衣の上に袿を二枚引っ掛けて、自分の曹司(与えられた個室)を出た。

静かな夜だった。
きっと、誰にも、見つからないわ。