咲いた徒花

許されるはずもなく、密通が常磐の尚侍様にバレてしまい、二人とも罰せられた。

忍君は、桜の君と駆け落ちしようとしたこともあるらしい。

それは、失敗に終わって、失意のうちに、桜の君は恋煩いで死んでしまった。

後に知ったのだが、女御様の御寝所の帳台の隅に、紙でできた人の形を成したモノが発見された。

その紙の人形の胸や頭等に、玉の飾られた笄が三本、刺さっていたとか。

それには、『若草』と書かれていて、裏には、『燕鼎』、『桜』、『貴久』と書いてあった。

どうやら、呪ったのは、女御様の姉兄の『貴久』、『桜の君』で、燕鼎が誰なのかは分からなかったらしい。