咲いた徒花

どういうこと?
葵様、姉君に仕えてたって。

『私、若い頃は身分を偽っていたの。邸が落ちぶれたとき、父君がこっそり、女房にしては破格の特別扱いで、本邸に招いてくれたの。』

辛いだろうな。
あたくしだって、青丹に仕えると聞いた時、何だか不思議な感覚がした。

『青丹は、なんと、思うかしらね。』

何となく、そうあたくしが言った。

『知ったら、心を痛めるかもしれませんね。まぁ、私の場合、父君と、二人の女房だけでしたよ。』

二人も、いや、三人も味方がいたのでしょう、ならば、あたくしより、マシだわ。

あたくし、独りで行くのよ。