咲いた徒花

「姫様。」

初めてだ。
姫様、なんて、言って貰えるのは。

「何?」

精一杯の、猫かぶり。
演技は、得意中の特技。

舐めないで。

私は、空想に逃げてきた人間。
『高貴なお姫サマ』なんて、何度夢に見たことか。

「御祖父様、御無沙汰しております。此度は、私の兼ねてよりの願いを叶えて下さり、真にありがとうございます。」

第一印象は、大切。
姫君よりも姫君らしく、深々と頭をたれた。